TETRIS - Reserch #1[テトラミノの回転法則]
初版:2001.2.7. 最終更新日:2001.2.13.


1.1 はじめに
1.2 「セガ系」の回転法則(セガ則)
1.3 「BPS系」の回転法則(BPS則)
1.4 系統の違いによる回転入れの差

付録:ゲーム別回転法則一覧 NEW!

1.1 はじめに
初代『テトリス』から10年以上経ち、いままで様々な機種でいろいろな「テトリス」が発売されています。 同じ「テトリス」とはいえ、ゲームによってシステムや操作感覚などが微妙に違っています。 まぁ、細かい違いはまた後ほど述べるとして、今回はプレイする上でキモとなる 「テトラミノの回転法則」について述べたいと思います。

通常の操作や「ずらし入れ」では埋められないスキマにテトラミノを入れる「回転入れ」を使いこなすためには、 回転法則をマスターしなければなりませんが、これがゲームによって違う場合があるので厄介モノです。 今までやっていたゲームの回転法則が使えると思って別のテトリスで試したら出来なかった…… なんてことになると大ダメージですからね(^^;; そんなことにならないためにも、 ゲームによって回転法則が違うということを頭に叩き込んでおいてください。

かくいう僕も、GB版『テトリス』から入って、家庭用テトリスで育ったものですから、 少し前までは回転法則に違いがあるということを知りませんでした(苦笑)。 '99年8月頃、いぺぱぴ氏に指摘されてこのページを直してから意識するようになりました。

テトラミノの回転法則には、大きく分けて次の2種類の回転法則があります。
・セガのアーケード版『テトリス』をベースとしている「セガ系」の回転法則
・BPSのファミコン版『テトリス』をベースとしている「BPS系」の回転法則
このページでは、それぞれ 「セガ則」「BPS則」 と記すことにします。


1.2 「セガ系」の回転法則(セガ則)
「セガ系」の回転法則は、「地面を転がる回転をする」と言えます。
具体的に言うと、平らな場所にテトラミノを落として回転すると、どの状態でもテトラミノが地面に接地しています。
ただ、棒(赤)は例外で、右寄りに回転します。

この回転法則では、必要最小限の回転パターンしか存在しません。よって回転入れが使える状況というのは限られてきますが、 その分憶えるパターンが少なく、テトラミノの操作に集中できるという利点があります。
また、凸・L・逆Lでは最下段が一定であることから、視覚的には分かりづらい回転法則になっていますが、 高速スピード時の接地後の可動範囲が広いのが特徴で、『TGM』シリーズの最高速でのプレイの幅を広めるのに貢献していると言えます。
棒の回転が右寄りなので、テトリス狙いなら右穴の方が有利ということも言えますね。

「セガ則」の回転表です。一番左が初期状態です。
ミノセガ則・回転図特徴

(赤)
右・上寄り

(橙)
初期状態:下向き
2回回転(上向き状態)の時の状態が、
BPS系と比べて1マス下になっている
逆L
(青)

(水)

(緑)
右・下寄り
逆Z
(紫)
左・下寄り
この表では、Z(緑)・逆Z(紫)の回転がいまいち憶えづらいと思いますが、 「下の状態の時に回転入れが出来る」回転法則だと思うと良いかと思います。

この回転法則が適用できるゲーム:
 AC『テトリス』(セガ)(正回転のみ)
 SS『テトリスS』(BPS)
 AC・DC『セガテトリス』(セガ)
 AC・SS・PS『テトリスプラス』(ジャレコ)(『〜2』については未調査)
 AC『テトリス・ザ・グランドマスター』シリーズ(アリカ)


1.3 「BPS系」の回転法則(BPS則)
「BPS系」の回転法則では、ある一点に回転軸があり、それを中心にテトラミノが回転しています。
ただし、同じBPS系でも、カギ型(Z・逆Z)や棒の回転法則が違ったり、初期状態が違ったりしているので注意してください。

この回転法則は、回転軸を中心とする回転法則なので視覚的に分かりやすいという利点があります。 そのため、棒・Z・逆Zでは同じ形をしていても違う状況というのが存在していて、回転入れのバリエーションは増えますが、 その分テトラミノの回転状況に気を使わなければいけません。
また、上向きの凸・L・逆Lを平らな場所に置くと、それ以上回転することが出来ないという点は注意が必要でしょう。
特に『テトリス3』以降の「新BPS系」回転法則では初期状態が上向きなので要注意です。

・旧BPS則
FC・SFC版『テトリス2』の回転表です。一番左が初期状態です。
GB版『テトリス』『テトリスDX』の一部のテトラミノもこの回転法則です。
ミノ旧BPS則・回転図特徴
初期状態:上寄り
左回転で左寄り、右回転で右寄り
ど真ん中に軸
初期状態:下向き
逆L
初期状態:下寄り
左回転で右寄り、右回転で左寄り
なので注意が必要
逆Z
この回転法則が適用できるゲーム:
 FC『テトリス』(BPS)のうち、L・逆L・凸のみ(初期状態ナシ)
 FC・SFC『テトリス2(+ボンブリス)』(BPS)
 GB『テトリス』(任天堂)のうち、L・逆L・凸のみ
 GBC『テトリスDX』(任天堂)のうち、棒・L・逆L・凸

・新BPS則
SFC版『テトリス3』以降のBPSテトリスの回転表です。一番左が初期状態です。
他のゲームと初期状態が違うことや棒の回転が特殊なことなど、クセのある回転法則です。
ミノ新BPS則・回転図特徴
初期状態:下寄り
左回転で左寄り、右回転で右寄り
軸不定の変則回転
初期状態:上向き
このまま平らな面に接地させると
回転できなくなる
逆L
初期状態:上寄り
左回転で左寄り、右回転で右寄り
逆Z
この回転法則が適用できるゲーム:
 SFC『テトリス3』(BPS)(棒は違うかも?)
 PS『テトリスX』(BPS)
 DC『テトリス4D』(BPS)


1.4 系統の違いによる回転入れの差
上の回転法則の図だけをみても、どういった場合に違いが出るのか分かりづらいと思います。
具体例を挙げて、それを調べてみました。

以下のケースにおいて、テトラミノが一番下に接地してから回転させるケースを考えてみます。

Case 1:
幅2マスの穴の一番下にくぼみがある場合
ミノセガ系BPS系解説

(ずらし)
逆L× セガ則のみ可能。
逆回転。
× セガ則のみ可能。
逆回転。

(壁蹴りなら可)
BPS則のみ可能。
左寄り状態から正回転。
このケースだと、セガ系とBPS系では処理の仕方が全く異なります。
特にBPS系では[Z]1種のみ対応で、しかも回転状況も考えなければならずツラい状況といえます。

Case 2:
幅2マスの穴の下から2段目にくぼみがある場合
ミノセガ系BPS系解説

(ずらし)
セガ則・BPS則どちらでも可能。
正回転。
セガ則・BPS則どちらでも可能。
正回転。
更に回転させることも可能。
逆Z セガ則では回転方向問わず可。
BPS則では左寄り状態から
正回転限定なので注意。
逆L× BPS則のみ可能。
逆回転。
但し隙間が出来る。
× BPS則のみ可能。
左寄り状態から逆回転。
但し隙間が出来る。
このケースでは、セガ系とBPS系の処理の仕方にあまり差はありません。
しかし、BPS系ではやはり回転状況を考えなければならないのが難しいトコロです。
BPS系の方が選択肢が多いのですが、下の2つは隙間が出来るので良い対処とは言えないでしょう。